Written by Yuki Takemori

【無料】受け身の練習は「膝抜き」の感覚を身に着けてもらうためという説

ライフ 転び方

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転ぶ瞬間の恐怖心を減らしたいのだけれどどうしたらいいだろうか。「その瞬間」ももちろんであるが、何より「危ない!」の声掛けを受けたときの緊張で上積みされた恐怖心をせめて等身大にしたい

こういった疑問に答えます。

まずツイッターをご覧ください。

幼稚園の体操で前転がりとでんぐり返りをする目的は、多分、
・「膝抜き」を自然にできるようにするため
だと思う。
転倒のリスクは「状況、場所問わず」にあるため、大人の理屈で居つく前に子どものときに自然に身についていることがよい。
自動化された手動での選択がすべての基礎になる。

アフィリエイトと参考資料映像付きのブログ版です。内容はnote版と同じです。

受け身の練習は「膝抜き」の感覚を身に着けてもらうためという説

参考:ansony jack

転ぶ→骨折→寝たきり

性別と年齢、場所に関係なくとってもよくあるサイアクのパターンです。

幼稚園・保育園の体操で転がって遊んでもらうのは、そこに通う前の身体に残っている赤ちゃんのバランスを取りながらヨチヨチ歩きの感覚を利用して、つまづいたりして倒れる瞬間の恐怖と転んだときに本能的に手をついたときの痛みを分けることで恐怖心を等身大にする感覚を体得してもらいながら、今のうちに転びに強くなろう、という練習なのだと思います。

一瞬である転倒を転ぶ練習でその過程を観察しながら体験することは「恐い」と「痛い」は別なものであることを学ぶと同時に

体をボールのように丸くする練習である

のです。

「痛い」と「恐い」が切り離せていないうちはその瞬間にパニックを起こして、体を丸めることなく四角い箱が角をがくんがくんとぶつけるようになって頭や顔をぶつけることになるのですが、

痛くないようにするためにはどうするのか→「よし太もも、お尻、腰」と順番に着地できるようにしよう→ゆっくりやると恐いと思う瞬間が見えてきたぞ→ちょっと早くしてみよう

という感じでただ回数をこなすのではなく、試しながら改善していくことで量を質に転換することはもちろん、「痛い」と「恐い」を切り離すだけでなく、「恐い」の部分は転んだ瞬間の緊張をあえて初動のために使い、さらにその初動自体を緊張を解き、それに依存しないために動き続けることになるのです。

たしかに自分で整えた状況であっても前に倒れることも転がることも恐いです。とはいえ、タイマンの果し合いや熊や野犬などの動物と遭遇など、本当に殺されて死ぬことにつぎ、またそれを上回るものはないとされていることが転ぶことです。

もっというと生きている以上は転倒を超える恐怖心、特に

転倒する瞬間を超える恐怖は存在しない

ということです。

そこで幼稚園では前回りとでんぐり返りをするのですが、大人になるとなぜかできなくなる人がいるのはどうしてなのでしょうか。

動作の初動はすべて「膝抜き」

参考:中野哲爾の整体、整動、整心チャンネル

大人は子どもと比べると体が完成してるために硬いことも理由のひとつなのですが、それにもかかわらず老人になってもうまく転ぶ人もいます。

上手い人は毎日受け身のために転んでいるのですが、たいていは同じ教育を受けていたのになぜこのようは違いが出るのでしょうか。

その答えは、多分、

転ぶ瞬間だけでなく体の初動のすべてが「膝抜き」であることだと思う

ことです。

「膝抜き」とは何か?

武道などで必ずと言ってもいいほどに聞く「膝抜き」とは何であろうか。

これについては私も「多分」としか解釈できないのであるが、

  • 1.耳の後ろで出っ張っている乳様突起を持ち上げて
  • 2.あばらと背骨でつながっている胸骨と仙骨を連携させて押し下げることで股関節から背骨全体で均等に曲がり
  • 3.後ろに倒れそうになったバランスを取るために仙腸関節で相対的に前傾した腸骨が股関節を曲げて脚を前に出すと
  • 4.わき腹のはたらきが腸骨を主体的に後ろに傾けて重心を下げると同時に脚を骨盤から上げる

と考えています。

筋肉からの脚の始まりとされていて、背中の裏側、背骨の前につき背骨の前傾と股関節を曲げと同側回旋のはたらきがある大腰筋を、その間にある腸骨を仙腸関節で動かすことで、骨盤から股関節を曲げる腸骨筋とある人には腸骨に背骨を前傾させる小腰筋が

「股関節の抜き」ともいわれる膝抜きのコツである「できるだけ動きの小さなところから動き始める」

ことで

「大腰筋で始まるわき腹から動く脚」

とすることを可能とするのだと思います。

ちなみになんですが膝抜きは素早く動くために足裏を垂直に離陸させることだけではなく、実は和式トイレのヤンキー座りも同じです。足の裏を浮かせることとつけたままであることの違いはあるものの、股関節を伸ばしているお尻や腿うらの筋肉のブレーキを外した結果として力を使わずに股関節を曲げていることは同じであるのです。

ちなみに人やボールを蹴る動きと歩く動きはひざから下をちょん切ってあげると同じ動きになります。

  • 蹴る動き=膝を伸ばす+股関節を曲げる

ことで、これを筋肉でやろうとすると、筋肉は縮むだけというその性質から体を後ろへ詰める動きとなります。筋肉の収縮は動くと同時に恐怖心の元になる緊張でもあるので、それを

筋肉のふたを外すことで小さなところから骨を前に飛ばすように

することで関節が詰まらずに広がるような動きにすることが「膝抜き」やひざと大腿骨でつながり「股関節=膝関節」であることから「股関節の抜き」が伝えたいメッセージであるのだと思います。

上げたい足の側の腸骨をすくい上げることで、反対側の腸骨は前傾したままで蹴ることになり、それが進む力になります。前に出た足が着地した瞬間に反対の足も同じようにすくい上げることで上下の動きなく前に進みながら後ろにある足を寄せることができるのです。

膝抜きは主体的な骨盤の後傾

参考:岡田慎一郎の古武術介護と身体の使い方研究室

耳の後ろにある出っ張りの乳様突起を持ち上げながら仙骨を押し下げると、胸骨と連携することで背骨全体が後ろに曲がります。それは同時にあばら骨から腹を曲げることになり、わき腹筋の連携から腸骨も後傾するのです。

こうすることで転ぶときの絶対も言える条件である

ヘソを見る

ことが首だけを下げるのではなく、背骨全体を後ろに開き、肩と腰を開くようにして見ることで転がりやすくなるのです。

和式トイレのヤンキー座りの状態になっても立った状態でもから耳の後ろの出っ張りの持ち上げた状態で腕を伸ばして前に出し、

ひじの内側の出っ張りを下から外に反すようにして

ひじの外側から親指の付け根をかぶせ込んで手の甲を向かい合わせにすると簡単にできます。

転ぶ、転がる、てんでんこ

参考:岡田慎一郎の古武術介護と身体の使い方研究室

仙骨の後傾と仙腸関節で相対的に前傾した腸骨の組み合わせは腸骨の前傾とそのための重心移動、そして腸骨の前傾によってはたらく前ももや内ももなどの股関節を曲げる筋肉のはたらきによって腸骨を主体にした動きになります。

その直感としての即応と腸骨の応答はサッカーのフェイントとその駆け引き、野球の盗塁だけでなく、舞踊などの祝祭性をまとう自由度が高く多様な身のこなしであるダンス全体にもいえます。

それは上記で書いた転倒はもちろん、「津波てんでんこ」で知られるようになった本能的に自在で柔軟な自律性を大切にしてきた経験知でもあるのです。

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参考資料