「普通の踏ん張り」がダメなワケ【本当の意味は親趾のアーチ】
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親趾が大事だとは言いながら、最近は「踏ん張らないほうがいい」と言う人が多数派になってきた。体重を支えるために足の中では一番太くなっているはずなのにどうして踏ん張ってはいけなんだろう。「踏ん張る」という言葉の本当の意味とどうしたらいいのか知りたいです。
というわけで先日こういうツイートをしました。
「踏ん張れ」の意味は「親趾のアーチを保て」だと思う。
多くの人は、踏みしめることで母趾球を点にして体重を支えますが、そうではなく、本当は「踵を前に出し、趾と土踏まずをアーチにして、足の内側に力を入れる」という意味です。
アーチを保つ動きが力の偏りをなくし、ケガの予防になる。 pic.twitter.com/n2ELByV7MI— ユウキ@ブログ×体の使い方 (@yukitakeblog) April 10, 2024
本記事の内容
- 踏ん張る目的
- 実際の意味は親趾側のアーチ
- 巷の踏ん張りがダメなワケ
踏ん張る目的【3つある】
その①:外反母趾の防止
簡単にいうと、親趾の変形を防ぐためです。親趾に力が入るとサムネイルのような「趾のアーチ」が出来上がります。親趾のアーチができると足首が内側に倒れなくなり、親趾を外に反らす必要がなくなります。
その②:ひざのけがの予防
足首が内側に倒れなくなることと同じく、ひざが内側に倒れることを防ぎます。
ひざが内側に倒れるとスジを痛めることは簡単に想像がつきますが、それだけではなく、立つ、座る問わず、動くときのバランスを取りにくくなります。さらにバランスを崩し、転んだときにひざのお皿の骨を割ったり、内側のスジである靭帯を切ったりすることを防ぎます。
その③:歩行の仕上げ
「足を運ぶ動き」で仕上げになるのが親趾です。多くの人は親趾だけに体重を集中させますが、そうではなく、正しくは、「かかと→小趾→親趾」に体重が移っていくのが正解です。前から引っ掛けつかんだ床を、最後まで引ききることが、親趾のアーチによる歩行の仕上げになります。
実際の意味は親趾側のアーチ
かかとを前に出すだけ
内側の土踏まずには2つのアーチがあり、
- 趾先―母趾球
- 母趾球―踵
この2つを保つことが「踏ん張る」という意味です。とはいえ、力むのではなく、かかとから動くようにすることが本当のところのようです。かかとを前に出すように動くと、ひざとつま先の向きを揃えることができます。もっと詳しく言うと、
つま先と膝を同時に外に向ける
ことができます。ひざがねじれないので、痛めることもありません。
これができていると、ひざが2趾と3趾の間にきて、力が抜けたような、ぼぅっとした感じになります。これは力が抜けたのではなく、力の偏りが取れて、バランスがとれるようになったからです。
かかとを出して足を逆八の字で外旋すると、内側のアーチである「親趾―母趾球」、「母趾球―かかと」のアーチにスイッチが入り、そこにつながる筋肉、足趾を動かしたり、太ももを閉じたりする筋肉に力が入るようになります。
「つま先を広げろ」の本当の意味
そのココロは股関節の外旋
足の小趾をはたらかせることで、ひざは自然に外を向きます。すると繰り返しですが、ひざをケガしたり、親趾をぐねったりすることを防ぐことができます。
足裏を動かさずに親趾のつけ根をかかとに近づけると簡単にできます。
現代版〝新陰流 〟「エマす」を新訳する
悩むことは成長のチャンスですね。欲求不満は苦しみを感じさせて、大きなモチベーションになるから。タスクは1個だけ。それは「やめること」。すると悩みを解決するために集めたものが一つになる。
巷の踏ん張りがダメなワケ【ニーイントゥアウト】
ところで、日本ではなぜか「踏ん張る」ことが「親趾のつけ根の一点に全体重をかける」と認識されています。
その経緯はともかくとして、今すぐやめましょう。
その①:ひざが内側に向く
イスに座って、親趾のつけ根に体重をかけてみましょう。するとひざが内側に動きます。立った状態や立てひざの状態でこれをやるとひざが内側に倒れます。これではひざの内側にある腱を痛めるだけでなく、お皿の膝蓋骨を割ったり、側副靭帯を切るという大けがにつながります。
選手生命だけでなく、自分の体を自分で守るためにもひざは外側に向けましょう。
やり方は上記のとおりです。
その②:足首が倒れる
ひざだけでなく、足首も後ろに倒れます。いわゆる「ぐねった」、捻挫の状態です。こちらも足にある小さな骨をつなぐ靭帯の断裂になるので今すぐやめましょう。
ケガだけではなく、将来的なO脚やX脚といったひざの変形だけでなく、ひざ関節の骨の位置のズレによる半月板と軟骨の損傷になるのでただちにやめてください。
その③:骨盤の後傾
母趾球に体重がかかると、膝が内側を向きますが、その動きに引っ張られて、膝の内側からコマネチラインにある内転筋群が縮み、骨盤が前に傾きます。コマネチラインが縮んだまま前に倒れた体を起こそうとすると、骨盤が後ろに倒れます。
姿勢が悪くなることももちろんなのですが、これで足元は、かかとを軸にしたままつま先を開くことになります。
ニーイントゥアウト
この3つが、実際は同時に起ると、
- ひざは内に向くけれど
- つま先は外に向く
ことになります。つまり、ひざをねじりながら動くことになります。
これは「ニーイントゥアウト(ひざの内向きから外に向く)」というもので、実はひざのケガで一番多いものです。具体的には、
- 内側側副靭帯
- 前十字靭帯
- 半月板
の損傷です。これはケガをすると外科の再建手術しか復帰の方法はありません。
なので、これらを防ぐためにも、つま先を広げるときには、
かかとを前に出す
ことを徹底してください。
かかとを前に出すとどうなるのか【結論:人生がラクです】
かかとを前に出すと人生がラクですね。1.ひざがラク2.腰が軽くなる3.体が全部軽やかになる。体がまとめて動いてくれるから負担がなくなる。ズバリひざがねじれない。インナー、アウターマッスルがそれぞれ外注。小さく動いて素早く動く。僕は今日もかかとを前に出す。
まとめ
昔の踏ん張り
- ひざが内側に向く→ニーイントゥアウト
なので、
現在の「ノー踏ん張り」
- かかとから動かす→内外側のアーチができる→体が安定する
となります。
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