Written by Yuki Takemori

平らな地面で膝をピンと伸ばすワケ【ブログ版】

ライフ 立ち方

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平らな足もとで膝を伸ばすワケ【3つある】
・その①:楽に地面を押せるから
・その②:関節の限界によるロックが使えるから
・その③:脛周りの筋肉を使わなくていい
先日ユニクロで服を買うためにイオンモールへ行ったときのことである。
イオンのどこでは忘れたが、何かを待っていたであろうベビーカートを押していた3人の親子連れがいた。
そのなかでそばで立っていたショートパンツの少女がなぜか目に付いた。

断っておくが変な気はない。

私から見て横向きで、脚を出していたことでわかりやすかったこともあるが、特に目に付いたことが、
遠目に見ても筋肉の陰影というかラインが見えるぐらい「太ももの前がやたらに盛り上がっている」ことだった。

繰り返し断っておくが変な気はない。

とはいえ、「太ももの前だけが太い」ことを本当に気にしている人もいれば、気がついていない人もいて、「立つときは脚に力が入るもの」と言って割り切っている人もいる。

これ共通していることは、まず男女両方であること、そしてその原因は「立ち方を知らない」ことからきている。

本記事では、

  • 前編:なぜか太くなる太ももの原因
  • 後編:普段からどういう立ち方をすればいいのか

に分けて解説する。

前編:なぜか太くなる太ももの原因

答:反張膝

多くの人は膝を伸ばして立とうとすると、前ももに力を入れて、膝を押し込めるようにするのだが、まさにこれが反張膝である。それは膝が後ろに反り返った状態にあることをいい、実際の見た目は膝が逆に曲がっている感じとイメージしてよろしい。

多くの人が「自分は違うだろう」と気づかずに生活しているが、反張膝には足が太くなる意外にも、以下の悪いことを起こす。

・膝痛や腰痛が起こる
・ふくらはぎや膝の裏が疲れやすい
・下半身がむくみやすい
・猫背になる
・歩くとすぐに疲れる
・将来O脚やガニ股になる
・肩こりや首こりが起こる
・偏頭痛が起こりやすい
※引用:なんか私の膝、後ろに反ってる❓

実際に前ももに力を入れて立つとつま先が

外向きの場合、

  • お腹が突き出る
  • お尻が垂れる
  • 猫背になる
  • 胸が垂れる
  • 肩が上がる
  • ストレートネックになる

となり、若い女性にとっては「よろしくない」立ち姿になる。一方で、

内向きの場合は、

  • お腹が突き出る
  • お尻が垂れる
  • 猫背になる
  • 胸が垂れる
  • 肩が上がる
  • ストレートネックになる

となる。よく「男ウケするポーズ」としてイラストに描かれるのであるが、体に悪いことを知っている人はやらない。
後ろから見ると首がなく、頭を肩にじか置きしているように見えるのはこのためである。

伸ばす習慣がないゆえに起きた

膝を伸ばす習慣がすっかり身についてしまった日本人ですが、日本人がひざを伸ばすようになったのは明治維新以降のことであり、股関節を使った低い姿勢での動きが中心である日本人にとっては新しい習慣である。

とはいえ、西洋には西洋の「生活様式からみた治水」の経過もあるのでここでその良し悪しは書かない。

それに大部分の日本人だけではなく、留学先で見かけた西洋人も男女問わず、膝が真っすぐというよりは、お皿を後ろに押し込めたような立ち姿であった。

真っすぐ=膝を伸ばす?

「まっすぐ」と反張膝にははっきりとした違いがあって、

まっすぐ:膝関節筋

  • 膝蓋上包を持ち上げる
  • 膝を上下に開く
  • ひざは真っすぐに伸びる

反張膝:大腿四頭筋

  • 脛の骨が引っ張られる
  • 間に挟まれたひざは後ろに入る
  • 膝を後ろに押し込める

である。

とはいえ、それが「ひざ痛」の原因というよりは、筋肉の役割分担ができていないことで起きていると考えられる。

確かに前ももにつく筋肉のはたらきは「膝関節の伸展」であり脚自体は伸びるのだが、それはあくまで「伸ばすという動作」のためであり、伸びた状態を維持することとは別である。

まとめると、

  • 大腿四頭筋→動き
  • 膝関節筋→キープ

キープのためにはたらくべき膝関節筋の役割まで前ももの筋肉にさせることで、それを力ませ、膝を逆に曲げた状態で立つことになるのである。

なので、脚を真っすぐにすることと膝を伸ばすことは根本的に異なるものなのである。

一般常識としての「真っすぐ」

ある大学生を対象とした調査では、54名中67%の女子大学生に6度以上の反張膝がみられた。(*1)大学生で70%近くがこの症状になっている
※引用:研究ファイル『女性に多い反張膝の原因について』

男女を問わずつま先とひざの向きがそろっていない人が多く、大体の傾向としては女性が内に向き、男性が外側に向いている。

その結果は画像のとおりになる。

この二つの立ち方は同じ種類だと思います。上画像の内股気味に立っているのは、足の外側の張で立っていて(スネ張膝)、下画像の立ち方が膝を内側に張って立って(反張膝)です。共にあまり筋肉を使わないで立つことができるのです。
※引用:反張膝の原因について?!

どこに体重を偏らせているかの違いであって、膝を押し込めていることに変わりはない。

さらに反張膝は扁平足や浮き指、外反母趾とも関係がある。
つま先を内側に向けると、体重が前に移動するのでつま先の足趾のつけ根にかかる。

そこから歩くとき、蹴りだすときは親趾のつけ根に体重を集中してかけることと、親趾のはたらきのひとつである膝を内側に向けることと合わさって、つま先が内側にねじれる。

すると、親趾が付け根から外側に反ることと同時に外側に広がる。これが外反母趾の原因の一つといわれている。

それだけではなく、かかとをあげたときに実は、まず小趾のつけ根に体重がかかるので、小趾が内側に曲がる「内反小趾」だけでなく、つま先を内側にねじることが親趾のつけ根で蹴ることと合わさることによって、つま先のつけ根のアーチがつぶれて横に広がる開帳足の原因にもなるという。

とはいえ、上記のとおり、これは女性だけの問題ではなく、男性も同じくである。つま先が外に向いているので関係がないと思うかもしれない。
しかし、同じことが起きる。その違いは小趾に起きることで、外に向けたまま着地することで小趾が横に倒れる「寝指」が多いことである。

もちろん傾向なので、「これがすべて」ではない。

平らな足もとで膝を伸ばすワケ【3つある】

  • その①:楽に地面を押せるから
  • その②:関節の限界によるロックが使えるから
  • その③:脛周りの筋肉を使わなくていい

舗装道路でも楽に立てるようにしたいからである。

その①:楽に地面を押せるから

デコボコの地道と舗装道路では以下の違いがある。

デコボコ

  • 地面が足を押す:足に体重を乗せるだけでアーチができる→立つと自然に膝がゆるむ

平ら

  • 地面が足裏を押さない:アーチをつくるために前ももに力を入れる→膝を反らせて立つ

地面がデコボコの状態であると、それだけで足のアーチ特に内側の刺激になるので、そこにつながる脚の内側の筋肉に力が自然に入るようになる。

一方で、平らな舗装道路では地面が体重を押さないので、足首が内側に倒れて親趾側のアーチがつぶれるか、逆に外側に倒れて小趾側のアーチがつぶれる。

それでもアーチがあるという人は、

  • 1.つま先が外向きの場合は母趾球、内向きの場合は小趾球に体重がかかる
  • 2.移動した体重で前に倒れることを前ももの力でブレーキをかけてかかとに移すことでバランスをとる
  • 3.力ませた内外の筋肉でそれぞれに反った足首の挙上によってアーチを引き上げるつぶさず体重を乗せる

という手順でアーチを維持していて、これが常識でいう「ひざとピンと伸ばした状態」で、大腿四頭筋の緊張と後ろに偏った体重の慢性化が反張膝になるのである。

その②:関節のロックを使うから

そうして、膝が逆折りになると、当然に、もも裏やふくらはぎの筋肉がちぎれないようにするために、ひざ関節にロックがかかる。
そのひざ関節が伸びの限界は膝蓋骨が決めている。それは大腿骨と脛骨が膝蓋骨をはさんだときであり、ちょっと逆折りになったところで止まる。

その③:脛周りの筋肉を使わなくていい

このひざ関節のロックはある種の骨格を利用して立つことでもある。そのことで、

  • 内股:ふくらはぎ外側の張
  • 外股:ひざの内側の張

にすることで、平らな舗装道路でとれなくなったバランスに適応するために膝をピンと伸ばして対応しているのである。

後編:普段からどういう立ち方をすればいいのか

とはいえ、今から、普段からなにをすればいいのかというと、

足の中趾を正面に向けて立つ

ことである。もしあなたが何かを今治療中であれば、もちろんのことながら医者の判断を最優先にすべきだ。

改良型WTの立ち方

  • 1.WTシートの縦線の先から横線の両端に向かって線を引く
  • 2.両端の趾のつけ根を結んだ先の交点に向ける
  • 3.重心がかかとの手前(縦線と横線の交点にくる

横から見るとひざを押し込めることなく真っすぐに立つことができる。

「膝にゆるみをもたせる」という本当の意味

実はこれが「膝を少し曲げる」とか「ひざをゆるめる」ということである。ひざの反りをなくした分、前に動くゆとりができたことで、

膝が微妙に揺れる細かい運動ができる状態

になる。

それはまさにデコボコの地面の上いる状態と同じであり、うまくブラブラ揺らすことで筋肉がお互いに力を入れたり抜いたりすることでバランスをとっているのだ。

これは「つりあった状態にする」という意味と同じであり、筋肉がお互いに引っ張りあった状態は、たとえるなら出初式の消防車の梯子のように、前後内外からお互いの方向に引っ張りあっている状態である。すると裏内前外に均等に力が入るので"力が入っていない感じ"がするのである。

こうなると、倒れないようにひざから下で、安定とバランスだけ取っていればいいので、重みを支えるだけで力が要らなくなる。それと同じことが腰や背中でもできるようになるのである。

ということは、

脚のまっすぐ=平らなところでも揺れながらバランスをとることができるようにしておけ

という意味なのである。

まとめ

膝をピンと伸ばしたままでいることの問題は立ち方ひとつで解決することは上記のとおりである。

とはいえ、しゃがんだり向きを変えるときには中趾を正面に向けたままではできない。そこで重要となるのがつま先の使い方であるが、実は「改良型WTの立ち方」もつま先の使い方を変えたものである。

続きはこちらからどうぞ。

参考資料