わき腹を痛めることなく走ることは可能か?→【結論:条件次第では可能】
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注意事項
ファンタジックな妄想例であるため後半は「参考程度」としてお読みください
こんにちはユウキです。今回は「わき腹を痛めることなく走ることは可能か?」に対する僕の考察です。まずTwitterをご覧ください。
わき腹を痛めずに走るためには
✅手を振らないことですね。
多くの人は「腕振り→膝中心に足上げ」ですがそうではなく、実は、「つま先正面→腰立てる→股関節から脚を出す」ほうが疲れません。
骨盤を後ろに倒すことが下腹に力を入れ、脚と寄せることが重心をまとめる。 pic.twitter.com/dqzSa1Vg2N— ユウキ 身体の使い方工作室 (@yukitakeblog) March 7, 2025
・手を振らないことですね。
多くの人は「腕振り→膝中心に足上げ」ですがそうではなく、実は、「つま先正面→腰立てる→股関節から脚を出す」ほうが疲れません。
骨盤を後ろに倒すことが下腹に力を入れ、脚と寄せることが重心をまとめる。
日常生活を翻訳するお仕事です。参考になったら「いいね!」よろです。
では解説します。
はじめに

そもそも前に進むための要件は物理学でいうところの作用と反作用の2つに求めることができる。
- へそから空を見上げるように、花瓶に見立てた体幹を底から持ち上げる
- 骨盤をしゃくるように後ろにしゃがむようにすることで脚を股関節から上げる
ことである。
まず、底から体幹を持ち上げると腰を反らしながら腹を曲げるので、肩を上げることでブレーキをかけることもない。「体幹」というものを突き詰めた先にある。

- 顔を除いた頭の骨
- 首から腰までの背中
- 骨盤から尻尾
である「究極の体幹」のつなぎ目であり土台である仙骨を5つの骨に分けるようすることで周りの筋肉を伸ばして骨盤を立てるのである。そのことによって、頭、肩、腰が引っ張り合って背骨を、例えば前に倒れている首を起こすなど、元の位置に戻すのである。
そのうえで、しゃくる動きで骨盤が主体性を持つのである。骨盤をしゃくると足が上がりやすくなるのはもちろんのこと、わき腹の筋肉も参加することで、腸骨と仙骨を分けることで、「骨盤は脚」としてわき腹から動かすことが可能となるだけでなく、背骨が全体で、胸椎から開くようにカーブすることによって肩を下げた状態を維持することができるのである。
「前に進もうとする」体をあえて自ら後ろに下げることは、謙譲の精神そのものであり、「おっと、失礼!」言って道を譲る瞬間に出る力による機敏さであり、それは、この場合は骨盤を先に後ろに下げることで
- 腹筋の前だけでないわき腹の参加
- 背骨全体のカーブによるリラックス
- 伸びるほうの筋肉を意識することによる骨盤の回旋運動
が「思いがいけない宝物」のように手に入る。これはまさにバットでボールを打ったり、濡れた手を振って水を切るなど、物体がスピードのついた状態のままで止まると衝撃になることであり、動いている力を急停止させることによって威力を引き出す「ロックの原理」である。
その結果、体幹を立てたまま股関節から曲げることで、
- 前に倒れる上体の重さ
- 骨盤が後ろに下がることで出る回旋運動
- 股関節を折りたたんだときの反動で後ろにある足が骨盤ごと前に出る
ことでひざを中心に上げることで脚だけに頼って歩いたり走ったりすることがなくなり、その結果として脚は、前ももの筋肉は「前に倒れつづける体を支えるブレーキのためだけ」にはたらくだけでよくなるのである。
これこそ甲野善紀氏の「ロックをかける」動きにヒントを得て、「動いていたものが急停止する」という状況を止まっていた状態から、「後ろに退がって相手にその場を譲るようにすることで相手を飛ばすエネルギーを出す」という田島大義氏が開発した「謙譲の美徳」もかくのごとしである。
書こうと思ったきっかけ

どこで、いつかはとっくに忘れた。たしか実写の映画監督がアニメ映画の監督を批判したということであった。内容は興味がなかったので全く知らない。とはいえ、アニメのほうはそのキャラクターの走り方、特に
- 踵からつく
- うねる・ねじる・ためる
- 横方向に腕を振る
姿を見ると、批判をしたくなったこともわからなくもない。なぜなら、そのアニメの時代背景は中世期の日本であり、当時は上記のような動きで日常生活や戦闘をしている人はいなかったからだ。実写のほうの監督は中世の末期である戦国時代の映画も撮る人なので「リアリティの追求」という観点から、
- お前は自分が描いた絵のとおりに当時の生活が送れるのかよ
- 観た人が「これが中世だ」と思い込むことを見越しているのか?
- 質問に対して、まさか「それぐらいわかるだろ」と吐いて捨てる気なのか
ということの意味での批判だと思うし、もちろんすべて私の想像である。
とはいえ、この批判はまことにその通りである。なぜなら中学三年生の文化祭の準備中のとき、かかとをつけて3階の廊下を走ったとき、下の階の階の人から「ひびいて、うるさい」という叱言をもらったからである。
事実かかとをつけて歩き、走るヒールストライクはその名のとおり、かかとを地面に打ち付けることによる衝撃とその反発力のやり取りで進むので、ただ単に音がうるさいだけでなく、かかとの皮膚が割れて破れたり、その骨が折れる大ケガをする人もいる。つまり、
真似をする人は必ず出ることを忘れてはならない
という、なるほどコメディアンでもある彼ならではの助言であると私には聞こえた(なお、そのアニメ映画の監督は武術研究家の甲野善紀氏の動きを見た上で「絵で伝える」ためにその描写にしたので、むしろ今こうしている私たちよりははるかに理解している)。
前傾姿勢のまま走ることのついて

前傾姿勢を維持ししたまま走るための条件
- その①:ひざが突っ張らない服装(フレックス負荷)
- その②:固定観念とプライドを捨てる
- その③:つま先の接地面を確保しながら折り曲げられる靴
一般的に「走る」とは
- 腕を振って
- ひざを上げて
- 上体を立てて
ことになります。
アニメやゲームのキャラクターが上体をかたむけたままで走る姿はカッコいいものです。
- 「かけっこで速く走れるようになりたい」
- 「マラソンでわき腹が痛くなるようにしたい」
という欲は40前の僕にもあります。移動がラクになるから。
とはいえ、短距離走のスプリントのような前傾姿勢を維持したままで走ることは現実に可能なのでしょうか。漫画では走る姿を前傾姿勢に描くと速く見える。これを実写化するとなると、「ワイヤーで前から引っ張る」などで速く見せる工夫をしているようであり、あくまで「演出」のようです。
わきの痛みはなぜ起きる?【骨盤を固定するから】
とはいえ一般的な走るときのフォームでは
- マラソンのわき腹の痛み
- ウォーキングでのひざ、腰の痛み
の原因になっています。筋トレ以前にこれなぜ起きるのかというと、
ひざ中心に足を上げるから
です。
腰から下だけで歩くことで骨盤が固定されて、後ろに引くことで出せる回す動きによる全身の連動を、「寄せて力を出す」ことができなくなります。その結果、上体をのけ反ることになり、
- 上体を運ぶための代用として腕を振る
- 腹と骨盤の動きが途切れてわきをねじる
ことになるのです。
腹と骨盤が互いに反対方向にねじることは片方だけの脇の筋肉が縮むことでぶつかり合うことで「ロックの原理」による衝撃を生み、それが痛みになるのです。
そこにランドセルなどを背負っていると、それを左右に振り回すことになります。例えば、右手を振ったときには左向きに振られたランドセルの動きが左足を出したときの右回りの成分とぶつかり合うことで、バスンバスンとぶつかるように揺れるのです。
縮地と神速歩行術

とはいえ、これでは2001年放送の大河ドラマ『北条時宗』の説明がつかなくなります。
具体的には後編で安達泰盛と八郎(平頼綱)の決闘を時宗が止めるために、彼を演じる和泉元彌氏が止めに行くシーンである。大弓と矢を帯の位置に添えるようにして走るその見事な姿はいまでも印象に残っており、『真・ガンダム無双』のムービーでイージスガンダムが走る姿とも重なる。
一般的に「常識」とされるランニングフォームのまま武器を、道具をもったまま走ることは不可能であり、たとえできたとしてもスターウォーズ・エピソード1のオビ=ワン・ケノービのように刃物を振って走るというよろしくない事態になります。それはハッピーツリーフレンズで棒を持ったまま走ったキャラクターが石につまづき、
目に刺さって頭を貫通する
などという大変なことになります。
ですが、手を振らずに前傾姿勢で走ることがファンタジーであるならば、
- ヒロ渡邉氏が実演・解説している「縮地法」
- 大場香門(かもん)氏が発信している「神速歩行術」
の説明がつかなくなるだけではなく、飛脚・明治十年代の「横浜写真」もホラということになります。明治10年代に写真を加工する画像アプリは当然なく、また「馬丁が馬といっしょに八十キロぐらい走ってきて、雇った人が休んでいる間に馬の世話をしていた」の記録もウソになってしまいます。
馬丁を雇ったのは外国人で、当時来日していたその多くは役人にせよ商人にせよ団体から、たとえ植民地にする計画であったとしても、開拓のために現地の人とその生活習慣の調査を頼まれてもいるので、いい加減な考えで言葉を残したということはまず考えられません。
昔の日本人の歩き方について

近世江戸期の日本人は「ナンバ歩き」か
人間が走るときには宿命的な課題があって、
- その①:上下に揺れる→かかとで蹴る
- その②:左右にねじる→上下半身の分断
です。これを解決するためには、「ねじらず・うねらず・ためず」に走ることで「両手を後ろに伸ばして」、「胴体を前に傾けた状態で走る」ことになるのですが、実際にそんな姿を見かけたらドン引きでしょうし、「非現実的」であること以外では、
- 肩が上がる
- 猫背になる
- 体が後ろに傾く
- 地面を思い切り蹴る
ことで前傾姿勢による倒れることへの恐怖心からブレーキをかけながら走ることになります。これは同時に骨盤を後ろに傾けながらひざから下を前に出すことになります。つま先で着地と蹴り出しを行うフォアフット走法で多くの人が膝を痛めケガをする原因になっています。
とはいえ、ランドセルを背負ったまま走ったことがある人であれば経験があると思うのですが、左右に手を振るとランドセルもつられて左右に揺れます。そのときに、たとえば右手を振ったあと左手を振りますが、
右に進もうとするランドセルの動きの成分がブレーキとなり、左手につられて左に捻れる胴体の動きとぶつかることでバスンバスンと音をたてて揺れる
のです。
これを解決する方法は
- 「手を振らずに後ろに伸ばしておく」か
- 振るとすれば「同側の鎖骨と脚を同時に落とす」ことになりますが
荷物を背負って逃げたり、刀を持って走るなどという、非常事態にどうするのかを全体に考えると、やはり手を振らずに走ることができた方がいいでしょう。
このように手を振らずに歩いたり走ったりすることを「ナンバ」というらしいのですが、本記事ではこれ以上は触れません。なぜなら日常の歩き方に特別な用語などあるはずがないので、当時の人間がそう呼ぶことはなかったことが理由です。
これは武智鉄二という人が
近代以前の身体の在りようを名づけて可視化するために作った歴史用語
として理解すればよろしい。
「普通の歩き方」にも職業ごとのバリエーションがあって、「手を振らない」ことは共通していても、
- 職人→弥蔵をきめる
- 武士→すぐに刀を抜く
- 商人→手を前に添える
- 大工→道具を担ぐ
という感じで体つきや身振りに日々の労働が刻印されていたことから、それが仕事のための動きであって、現代の西洋式の走り方や走り方ではなかったことは確かだとしても、一概に「昔の日本人はナンバ歩きだった」とか「右手と右足を同時に出して歩いていた」ということは言えません。
前傾姿勢になるための要件【3つある】

肩を上げず、背中を丸めず、腹も曲げない、それでいて体を前に倒す方法は、
股関節から体を前に倒す
しかありません。とはいえ無自覚にすると、つま先を外や内に向けたままになり、お皿を割ったり内側の靭帯を切るといった大ケガにつながります。
体を前に曲げながらもお尻を落とさず肩も上げないようにするためには、わき腹と内ももで脚を上げながら背中と裏ももで前に傾けることで、蹴り出すことなく前に進む必要があります。
それには3つの手順があって、
- その①:趾の付け根の向きを角度0度の真横にする
- その②:「ヘソで空を見上げる」ように花瓶に見立てた体幹をそこから持ち上げる
- その③:軽く膝をゆるめることで股関節から体を前に倒す
ようにします。
その①:趾の付け根の向きを角度0度の真横にする

そのやり方は骨ストレッチが紹介している「WTの立ち方」でできます。それは、
中趾を正面に向けて立つ
これだけです。ひざとつま先の向きが揃うことでひざのブレがなくなるので、痛みやケガを防ぐことができます。とはいえ、単に中趾を正面に向けるだけでは足首だけをねじって外に向けるので、そこの内側に体重がかかり、内側に倒れます。そのため
- 親趾の付け根に体重をかけて
- ひざを内側に倒して
歩くことで長い時間をかけて膝の痛みや外反母趾の原因になるのです。そこで
「親趾―小趾」の付け根が真横に並ぶように立つ
のです。
片足ずつかかとを上げて、「親趾―小趾」の付け根が真横にすることで、つま先をねじることなく中趾を正面に向けることができます。中趾を正面に向けると体重が土踏まずに乗ります。
つま先が
外向き:お尻に力が入る
- 骨盤が後ろにかたむく=前に出る→かかとに体重がかかる
内向き:内ももに力が入る
- 骨盤が前にかたむく=後ろに下がる→つま先に体重がかかる
こととは違い、中趾を正面に向けることでつま先を前に向けると、真ん中の土踏まずに体重が乗ります。
そのことによって、
- 足のアーチを保つ
- 立つことが安定する
- どの方向にも動きやすい
体勢を取ることができるのです。さらに足裏を床につけた状態で
「趾の付け根とかかとの位置を真横に入れ替えるように」かかとを前に出す
と、つま先を股関節から開くことで、そのための筋肉

- 大臀筋
- 中殿筋
がはたらくことで股関節の伸展の作用も同時に起きて脚を伸ばします。その過程でお尻が締まるように持ち上がります。
その②:「ヘソで空を見上げる」ように花瓶に見立てた体幹を底から持ち上げる

その結果として、腹を曲げないようにするためにはわき腹とシックスパックを広背筋や脊柱起立筋群と同時に「筋肉が伸びながら力が入る」遠心性収縮の状態になります。
とはいえ、オナラをガマンするようにお尻を締めることでは遠心性収縮の感覚をつかみにくいので、それを簡単にするために「腹部を花瓶に置き換えるイメージをする」ことで底から支えるように持ち上げるのです。
頂上に肋骨、底は骨盤の両サイドで長方形の4つの角を決めて、前方と後方の2点ずつ用意して、正確には六角形であるが、ほぼ円柱をイメージする
ことで、底にあたる骨盤から背骨を全部持ち上げることでお腹の力が入るだけではなく、背骨を仙骨から下げる動きもしているので、「腰を反らずに腹も曲げない」ことができます。
それでもできないときは、お腹がぐらつかないようにするために、「底」から持ち上げてから胸の真ん中にあるネクタイのような胸骨を固定したまま仙骨を引き下げると、上にある腸骨と下にある坐骨が前後の位置を入れ替えるような動きで主体的に後ろに傾き、ヘソから下の腹筋に力を入れやすくなります。
そのことによって上に上がりがちな意識が下腹に行くので、下記の脚の内側の筋肉との連携で重心が下がり、体を心理的にも安定させる助けになります。
また骨盤が前傾する動きは内転筋群と前ももの筋肉の内の

- 薄筋
- 縫工筋
と裏ももの

- 半膜様筋
- 半腱様筋
- 大腿二頭筋

の「ひざを曲げる」作用によって、ひざを伸ばす前もも「大腿四頭筋」力を入れ合うことで、ひざを突っ張らずに自然に脚が伸びます。
イメージしづらいときは骨盤の角で、またはヘソで天井を見上げるとよろしい。
その③:軽く膝をゆるめることで股関節から体を前に倒す

ひざを曲げると、お皿の下につき股関節を曲げる筋肉である
- 半膜様筋
- 半腱様筋
- 大腿二頭筋
のはたらきで前に屈んで下を向きます。
「あえて後ろにしゃがむ」ことで前に進みやすくする例【3つある】

その①:鉄人28号歩き

1.どういうものなのか
結論から言うと、「蹴らずに歩く」ことです。
腕を元気よく振って、かかとを踏んで、親指の付け根で強く蹴りだすウォーキングの逆になります。
もっと具体的に言うと、足裏全体をホバークラフトのように地面と平行に浮かせて歩く歩き方です。
2.どうやってやるのか
立ち方
- 1.足を腰幅に開き、つま先を正面に向けて立つ(WTの立ち方)
- 2.体幹を花瓶に見立てて、底にあたる骨盤から持ち上げるようにして立てる
- 3.ひざを曲げると股関節から体が曲がる
歩く、この状態から
- 1.つけていたい方の太ももを下からすくい上げると、反対側の骨盤と同時に足が浮く
- 2.そこからついているほうの骨盤を後ろに引くと、反対の骨盤が前に出る
- 3.これを繰り返して歩く
3.コツ
- 「小趾―かかと」のラインを線路のレールのようにする→つま先が平行になり、中趾が正面に向く
- 足を上げるときはつま先を少し浮かせる→足首が反るので、これでかかとが上がらない
- 「立ち方」の理屈で骨盤を立てて、股関節を曲げた状態を維持する→ひざではなく股関節を中心に脚を動かす
その②:階段を上る【前の段の骨盤を後ろに引く】

階段で疲れの原因となるのは足を上げることよりも下の段にある足を蹴ることで起きます。さらに買い物などで両手がふさがっているときは手を使えないので別の方法を使うことになります。それが「上の段にある足をさらに引き上げる」ことなのですが、これが抽象的なためかうまくいかない人が多いと思います。
ではどうすればいいのかというと、
前の段の足の側の骨盤を後ろに引く
のです。
すると、「鉄人28号歩き」のときと同じく、
- 1.太ももをすくい上げる:骨盤が下がる→反対側の骨盤が上がる
- 2.骨盤を後ろに引く:反対側の骨盤が前に出る→自然に足が上がる
ことで簡単に上がることができます。姿勢は上記のとおり
- 花瓶に見立てた体幹を底から持ち上げるようににして骨盤を立てる
- そのまま軽くひざを曲げて、股関節から曲げた状態をキープする
ことで、前傾姿勢になり、体重を利用して上ることができます。
参考:「甲野善紀オンライン」youtube版 Yoshinori Kono online Channel
その③:階段を下りる

階段を下りるときの疲れは足にかかる衝撃はもちろんですが、それ以上に
「もしや落ちるかも」という恐怖心
が心理的な要因としてはたらいています。
そこで体の使い方を上記の階段の上り方を参考にして変えます。体がうまく運用できると意識が変わって、階段を下りやすくなります。
やり方は、
上の段につけていたい方の骨盤を後ろに引く
ことで今度は反対側の骨盤が足といっしょに下がるので反対の足が自然に出て、下りやすくなります。上の段にある足をつけたまま太ももをすくい上げることで、反対の足は上るときと同じように
骨盤と向きをそろえて前に出す
ことができます。
「何となく」の恐怖心が出る理由は、
手や足をつく地面がないことからの「大けがでは済まない」という想像が不安となるから
です。
前に前に行こうとする姿勢が体を前のめりにすることで趾の先だけで立つことでバランスを取ろうとすることによる不安定さが緊張になり、転倒する瞬間の恐怖心を呼び起こすのです。
そこで、
上の段につけていたい方の骨盤を後ろに引く
のです。
着地の瞬間につく足裏の範囲が趾の先から付け根になることで広くなり、骨盤を後ろに引くことでかかとをつけた広い面積で「地に足がついている」ことに足の真上に骨盤が乗っている安定感が意識を切り替えるのです。
落ちそうになったら?

上の段についている足のかかとを前に出してください
つま先が反対を向いたときには上記で紹介した「階段を上るときのポーズ」になり、前に出た反対側の手がケガを防ぎます。誰かに後ろから引っ張られる勢いでひじの内側を後ろに引くとイメージがしやすいです。
難しいことを紹介した理由
参考:岡田慎一郎の古武術介護と身体の使い方研究室
下りの階段で足を滑らせたことがある人にとってはトラウマで難く感じたかもです。そのために
- 上るときのように階段を見ながら下りる
- 太ももに手を置いて四足歩行の要領で同側の手足を出す
- 下げる足の同側の手の平を下に向けて、段に手をつくイメージで衝撃を分散する
方法があるのですが、どれでもない、あえて「難しい」と感じる方法を紹介したのは、
トラウマは、それと「同じ」に限りなく似た状況で違う行動を選び取らない限り根本的には解決しないから
です(「同じ状況」は二度と来ないのでこの書き方にした)。
骨盤を後ろに下げると前に進みやすくなる理由【重心がまとまるから】
骨盤を後ろに下げることは股関節を中心にした腹筋と内転筋+αの作用で「内に巻き取るよう」に回転することで重心をまとめます。実はこれ、椅子に座った状態で「足をクロスすると立ちやすくなる」ことと同じことが起きているのです。足をクロスして、両足を自分に寄せるとひざが閉じることで内ももが閉じます。内転筋がはたらくとその作用の一つである足を上げることで足を寄せながら骨盤を前に傾けます。すると左右にぶれることなくまとまった重心が骨盤から上体が倒れることによって立ち上ることでラクに立つことができるのです。
これは椅子に座った状態でやると簡単に実感できます。慣れてきたら床に座って、あぐらをかいた状態から立ってみましょう。手を使うことなく垂直に立つことができるようになります。
背骨を下げて起きること
実はこのときに起きていることは骨盤の前傾だけではありません。特にあぐらをかいた状態から頭を前に出すことなく垂直に立つときは、内転筋+αと同時に腹筋もはたらいているからです。
そのときに何が起きているのかというと、仙骨を引き下げることで背骨を下げ、骨盤をしゃくるように後ろにかたむけています。すると股関節よりも先に骨盤を前に出して上にあげているので足を上げやすくなるのです。
背骨を下げると骨盤が後傾するワケ
実は骨盤は

- 腸骨(左右)
- 恥骨(左右)
- 坐骨(左右)
- 仙骨
の7個の骨でできています。この中の仙骨と腸骨は仙腸関節という関節でつながっていいて、動く角度も小さく、長さも短いので可動範囲はわずかですが、互い違いに動くことで
- 仙骨:背骨→体幹
- 腸骨・坐骨・恥骨→脚
することができ、性器(大事なところ)の上にある硬い部分の恥骨の真ん中にあるつなぎ目の恥骨結合と連動することで、わずかながらでも脚のような上下運動をすることができます。
仙骨の引き下げて後傾しすると腸骨が前に傾くはずなのに後ろに傾く理由
たしかに互い違いに動くのであれば仙骨が後傾すると腸骨は前傾します。そこでポイントになる部分が腸骨の前にある恥骨です。
仙腸関節の動きに限界がきて腸骨が後ろにかたむくことは同時に恥骨を上にあげることも意味します。それは腹筋の曲げる運動がはたらくということであり、

- 恥骨→腹直筋
- 腸骨→外・内腹斜筋
によって腸骨を後ろにかたむけます。その腸骨の後傾によって仙骨との位置関係がどちらでもない位置になり、仙骨と腸骨が「骨盤ひとつ」になって後ろにかたむきます。なので、
- 背骨を下げる=仙骨を引き下げる=骨盤の後傾:足を引き寄せる→立ちあがった重心で立ちやすくなる
のです。
立ちやすくなるのは腹筋はたらき以外の理由がある
骨盤の後傾はシックスパックな腹直筋がはたらく以外にもわき腹の筋肉である

- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
が一緒にはたらくことで実は初めてできるのです。
骨盤の後傾は腰が引けたり、お尻を下げることではなく、
「前に進むことをやめる」
という意味であるのです。
前に進もうとしているところに骨盤の後傾というブレーキがかかり、物理学でいう「衝撃=質量×速度」という理屈の「ロック原理」によって脚が上がります。椅子や床に座っているときは足が床に固定されているので脚を上げる力が
前ももに下腹をつけにいくための力に変換される
ことに、重心が左右にふらついてバラけることなくまとまって立ち上がることが加わることで、前ももなどだけに力を集中することなく全身に負担が分散することができるのです。これで「立つこと」における第一にして最大の関門となる「お尻を持ち上げて、浮かべる」ことを
- 苦労も
- トレーニングも
- 根性も
- 汗だら筋トレも
することなく、「その場で」、「すぐに」できるようになるのです。
なお、これは「鉄人28号歩き」の目的である、
肚を使って、股関節から脚を持ち上げる
ことでもあると同時に、前に反っていた背骨を全体で全体で曲げながら腰の緊張を取ることでもあり、「ロックの原理」によっていつでも止まることができるという安心によるリラックスにもなっているのです。
参考
「甲野善紀オンライン」youtube版 Yoshinori Kono online Channel
骨ストレッチ【公式】
主体的に骨盤を後傾させて起きる利益
結論:すべて
例:字を書く
小学校に入ると読み書きが始まります。そのときの見本の写真として、「ひざと股関節をそれぞれ90度にして、その状態で書く」とありますが、これには落とし穴があって、
体に近い部分の字を書くことができない
ことです。もちろんノートを奥にずらせばいいだけですが、それ以外の方法はないのでしょうか?
そこで骨盤を主体的に後ろに傾けます。腹筋に力を入れて前に屈むことで
股関節を中心に曲げる
ことで、机と体を近づけることができます。肩を上げないので、書く時の姿勢も安定し疲れません。やめるときは
- 体幹を底から持ち上げる
- 「小趾―かかと」を線路のように平行にして、内に出す
ことで戻せます。
前に行こうとすることがブレーキになるワケ【原因:普段の隠れたつま先立ち】

つま先立ちは肩が凝る
日本人は声を潰す人が多い。
背骨と股関節周りの筋肉が硬くて、声帯に余分な力が入ってしまうからだ
※引用:荒谷起吉三(一九八八・五・一九)
とのことで、日本には、人が無理して抑える何かの、社会の在り方以前に肩が凝るような行動様式があります。私はこれを「つま先に体重をかけて、趾の先だけで立とうとしているから」と考えています。
そのプロセスを解説します。
まず、趾の先だけで立とうとすると、バランスを取るためにひざが曲がって骨盤が後ろにいきます。すると、後ろに倒れないようにするためには「肩で胸を引っ張り上げる」ことで前後のバランスを保とうとします。
その結果として、体重が趾先に集中します。趾先が力むことでかかとが上がるのでそこだけで立つことになり、接地面の小ささがつま先の緊張になります。つまり、
- 肩の引き上げ→胸の緊張+地に足がつかない→つま先の緊張
で全身が緊張する。これが「肩が凝る行動様式」です。
それだけでなく、腰を前に突き出すのでわかりにくいかもですが、ひざを曲げると内ももの筋肉の作用で骨盤だけが前傾します。すると、足の付け根が
腹側はの伸びによる抜け+脚側は緊張による力み
で下腹と内ももに力が入らないところに、骨盤だけが前に倒れて脚が上がらなくなります。
これが「前に行こうとすることがブレーキになる」理由です。
近世江戸期の生活習慣
次に「社会の在り方」について解説します。それは近世江戸期の生活習慣です。
ラフガディオ・ハーンは『神々の国の首都』の中で日常の歩行について次のように記している。
人々が皆が皆つま先で歩いている。
歩くときいつもまず第一に足指に重心が乗る。実際、下駄を用いる場合にはそれより外に方法がない。なぜなら踵は下駄にも地面にもつかないから。真横から見ると楔形に先細りした下駄に乗って足は前のめりになって前進する。ということは、かかとをつけない歩き方が、かなり一般化していたと考えることができます。
実際に現在でも足半という履物があります。これは草履を半分にした履物で、かかとの部分がない草履のことで、犬猫の肉球の部分、人間でいうと、「趾の先―趾の付け根」の範囲が接地面になります。これが「かなり一般化していた」という言葉の根拠には宮本武蔵の『五輪書』の記述に求めることができます。
足のはこびやうの事、つま先をすこしうけてきびすをつよくふむべし
つまり、「つま先をすこし浮かすようにしてかかとをつよく踏みなさい」と意味で、かかとをつけて歩くことは、小山隆秀氏は「武技や芸能を司る特殊な階層が用いた専門技能かもしれない」と推測しています。
無理して抑える「何か」→願望
とはいえ、これでかかとを土で汚さないようにすると、上記のとおり、
- つま先立ち
- ひざを曲げて
- 尻落とし
- 胸を潰して
- 肩引き上げる
ことになります。「土汚れなら土間とか玄関の小上がりを使って拭いたりして落しゃいいじゃん」小学生からご指摘いただけるかもです。指摘はまさにそのとおりで、大河ドラマ「西郷どん」にて西郷吉之介が京の宿に着いたときに足半で汚れたかかとと趾先を宿が用意した雑巾で土を拭く描写がありました。
ですがそのひと手間を面倒がり、また検証することもなく、かかとを浮かせて立つことを「自分の正しさ」とするために「つま立っていた」という言葉を切り取ることで当てはめたために起きる間違いです。
「昔の日本人はこんな姿勢だったんだ」とかいう、一般論をブルドーザーにして聞き手を言い返さないようにする言葉で、さらにインターネットや書籍という一方通行の関係に限るという巧妙な手口で堂々と発言しているのを見ると、怒りやあきれを通り越して、恥ずかしくなります。
もちろん年齢や生活習慣の積み重ねで掲載している写真や動画のようになったのであると思うし、歩くときや走るときの姿勢は加速したり止まったり、大きくカーブにしたり、小さく直角に曲がる瞬間ごとに連続して変化するので「その瞬間に」なることはもちろんあるかもですが、そもそも止まった画像を見て分析しても、身体の動きがわかるはずがないことにまず気づくべきです。
ということは、「何か」の正体は各自の願望であるといえます。
- 発信側:巧妙な方法→責任を感じずにすむ
- 受けて:言われたとおりに真似だけする→発信者や状況のせいにできる
という、その場そのときで自分だけが助かればよく、「保身」や「無責任」と断定できず指摘を受けない状況に逃げ込みたいという欲が「何か」だと思います。
これは「日本人は真面目だから、一人が始めればみんながやる」という疑問を各自が解消するヒントになると思います。自分で決断することを、他人で失敗しながら安心できる半径1メートルを探しながらも、恐怖心を直視しない弱さを見ないことで解消したような気分でいたいだけなのです。
「真面目」には「他人が勝手に行動するまで動かない」というマイナス面があります。この部分だけを切り出し、多数派を名乗るためにそれを利用することで自分が選択し、積み重ねてきた緊張と恐怖心を誤魔化しているのです。
それゆえ「真面目」というよりは「ただ、今自分が生きていたい」という欲に忠実なだけであり、その「真面目」という言葉もあくまで「外面良ければ勝手に周囲がいいと思ってくれる」ための道具にすぎないのです。
「無理して抑える何か」は「今ここ」の自分さえ気持ちよければいいという願望なのです。
道具なのだから何とも感じていないだろうし、不利になればさっさと捨てて別の言葉で飾ってもらえればいいだけからだ。
ジャンルすべての発言や発信には、たとえ相手が子どもでも、読んだ後のことは読み手の次第であるとしても、
金銭のやり取りの有無を問わず責任は発信したものにある
のです。特に身体のことは老若男女問わず誰かがどこかで実践する前提で発言するべきだと考えてこの章は書きました。
実際の「前かがみ」→膝で股関節を曲げる
参考:ヘルスアカデミー公式YTチャンネル
とはいえ、これを解決する方法はやはり、
- つま先を正面に向ける(WT立ち)
- 花瓶に見立てた体幹(腹回り)を底から持ち上げるように立てる
- ひざを軽く曲げて股関節を曲げる
ことになります。WTの立ち方から
アキレス腱を丸ごとゆっくり絞り下げることで、土踏まずにゆっくり踏み込む
ことで、
- お尻の穴が中に昇ってくる
- ベロの後ろが喉チンコにつく
とできているので、ここから「ひざだけ」を軽く曲げることで股関節から、骨盤、胸、頭がそろって下を向きます。これは今でも数多く現役である昔の日本家屋の中を「音を立てずに歩く」ときのコツでもあります。
ちなみに前を見るときは
ひざを曲げた状態で体幹を底から持ち上げる
ことで骨盤と胸と頭の向きをそろえたまま前を見ます。体幹を底から持ち上げる過程で肩甲骨が外と内、下とうなじを引き上げる動きと引っ張り合うことで、肩を上げて猫背になることがないのです。
現在ではもう確認の手段はないのですが、これが浮世絵や絵巻物に描かれている「普段の日本人の立ち姿」です。
厨二病全開、ファンタジックな妄想例

人は「うずまきナルト」のように走れるか?
結論は、
それに服装と履物を合わせれば、希望は持てる
です。
- ジャンヌ・ダルク(Fate/Apocrypha)
- 竈門炭治郎(鬼滅の刃)
- 日暮とわ(半妖の夜叉姫)
- シーク(ゼルダ無双ハイラルオールスターズdx)
- アンナ(ファイアーエムブレム無双)
が前傾姿勢のままで野を山を戦場を走り抜けるシーンがある。これは現実に可能なのであろうか?
それを可能とする方法が
腕を振らない
ことです。「ねじらず・うねらず・ためず」の姿勢を走りながらキープすることで、人間が走るときの宿命的な課題の2つ
- かかとを上げて蹴る→上下に揺れる
- 左右にねじる→上下半身の分断
を解決することができます。
前傾姿勢の誤解と実現例

前傾姿勢に対する誤解と実際の前傾姿勢についての解説は上記のとおりなので省く。とはいえ、バーチャルな領域であれば、「体をねじらず、前傾姿勢のまま走る」こと自体は実は実現できている。
答は自転車を漕ぐ
ことです。
自転車を漕ぐときの動きは、前傾姿勢のままで走る飛脚の走り方をバーチャルにしたものであるといえます。実際に疲れない自転車の乗り方のコツとして、
- 耳の後ろを引き上げて姿勢を正す
- 足はみぞおちから動かす
- ハンドルは腕で左右交互に引く
とあります。
これを上記の姿勢とあえてしゃがむように骨盤を後ろに倒すことに対応させると、
- 体幹を骨盤から持ち上げる→耳の後ろを引き上げて姿勢を正す
- 股関節を中心に曲げて脚を上げる→足はみぞおちから動かす
- 足を上げるために骨盤を後ろに引く→ハンドルは腕で左右交互に引く
とすることができれば、スピードスケートの選手が滑るときのように、犬夜叉やルーラー、竈門炭治郎のように前傾姿勢を維持したまま走ることができるのではないかと考えられます。
足をみぞおちから動かす理由

- 足を下げる→ハムストリングスと中殿筋、大殿筋を反対側の広背筋を向かい合わせる
- 足を上げる→内転筋と中殿筋、小殿筋で反対側の腹筋を寄せる
ことは仙骨を引き下げることで、坐骨と位置を入れ替えるように後ろに腸骨が、背骨を下げる動きに合わせてわき腹の筋肉がはたらくことに加えて、みぞおちの裏側から始まる大腰筋もはたらき出すことで、「みぞおちから脚を動かす」ことができるのである。
ちなみに広背筋の始まる位置はあばらの後ろ側からでもあるので、あばらの下と腸骨の上につき、

- 腸骨を後傾→外腹斜筋
- 肋骨を前傾→内腹斜筋
が腹を曲げることと反らすことが連携することから「わき腹から脚」を動かしてもいるのです。
体幹の「ひねり」について
外腹斜筋と内腹斜筋は腹を曲げるだけではなくねじるはたらきも持つ。
例えば、骨盤を固定した状態で右手のひじが後ろに下がるように、体側に沿って手を上げるとわきがねじれる。これは、

- 右側の内腹斜筋
- 左側の外腹斜筋
がねじる動きを分担することで可能となります。
MEMO
内腹斜筋の「同側回旋」という言葉の意味は「筋肉が位置している側にねじる」という意味で、この場合右向きに回転するので、向きと同じ右側の内腹斜筋が使われる。
骨盤を動かす場合、肩を固定して、右足側の骨盤を後ろに下げると、右足の内転筋の

- 寄せる
- 股関節の内回し
- 上げる
動きにわき腹の

- 寄せる
- 股関節の内回し
- 上げる
によって、右の股関節が折りたたまれます。腰から下だけで、ひざを伸ばすことで足を体の中心から遠ざけながら振り回すように上げることとは違い、体幹と脚がお互いに体の中心に寄るように動くことで、腕を振らなくても歩くことができるのです。
まとめると、
- 内・外腹斜筋→あばらを回す・横に倒す・曲げる
- 広背筋→回す・あばらを横に倒す・反らす
となります。
あばらを肩で固定することで、代わりにわき腹が骨盤を動かします。その主体的な骨盤の動きは、
- 太もも
- 骨盤
- あばら
の連携による股関節が中心となることで骨盤の役割は脚になって、脚の意識を「あばらの下あたりから脚が生えている」と変えるのです。
大腰筋からの「みぞおちから出た脚」との連携が

「脚を長く使う」
ことになり、
- 江戸時代に堂々とひざを伸ばして歩く「真秀足」として歩幅を大きくしながらも
- ロシアの軍人が足の真上に骨盤が乗るようにして凍ったところでも滑らないようにする
ことを可能とするのです。
これが「わき腹から脚」という言葉の意味です。
ここまでのまとめ
前傾姿勢を維持ししたまま走るための条件
その①:ひざが突っ張らない服装(フレックス負荷)
- もんぺ、袴、半ズボンなどのひざが動きやすいゆったりとしたズボン
- ニーハイソックスやスカート、ショートからホットパンツ(丈はお好みで)
理由:ひざを胸元まで高く上げるため
その②:固定観念とプライドを捨てる
- 筋トレを信じ奉るとできない→骨格ファーストで動くため
- 立場を利用して話を聞かない→ただし主治医の話は最優先であり、まず治療を受けるべき、それからでも遅くはない
その③:つま先の接地面を確保しながら折り曲げられる靴
- スニーカーでは不可能→つま先が上がっているため(詳細は後述)
おススメできない靴
- 公立学校の下または上履き→つま先が狭いから趾が変形する
- かかとが高いハイヒールなど→上に同じ
おススメの履物
- 地下足袋
- お祭り足袋
- 草履
- 雪駄
- 足半
- ベアフットランニングシューズ(ただしつま先が地面についている)
前傾姿勢で走るときに起きていること

前傾姿勢で走るときの条件は
- 体幹を花瓶に見立てて底から持ち上げるようにして骨盤を立てる
- 肩甲骨と鎖骨を落として肩を動かなくすることで足をみぞおちから始め、わき腹から動かす
- 骨盤を上下の位置を入れ替えるようにしゃくって後ろに傾け、しゃがむようにすることで足を上げやすくする
ことで、集まった重心が立ち上ってくることを利用して、それを股関節を中心に

- 広背筋・内腹斜筋・大殿筋・中殿筋・外側ハムストリングス:伸ばす→足で体を外に出す
- 外腹斜筋・腸腰筋・中殿筋・小殿筋・内側ハムストリングス:曲げる→足で中に巻き取る
ことを繰り返すことで、
走るときの隠れた課題である
中央による足を左右に広げた状態を維持する
ことでバランスを保つことができます。
ミッドフット走法とフォアフット走法

つま先着地には2つの意味があり、
1️⃣足裏全体
2️⃣付け根から趾先である。
体の重さを使って進むことで、かたむきでスピードを変えることができるだけでなく、腹と内臓のねじれがなくなり、エネルギーの消耗が抑えられる。
ダサさと恐怖心のコントロールが、本当の実益になる。— ユウキ 身体の使い方工作室 (@yukitakeblog) August 12, 2024
本記事のように誰もが体のある部分を、歯よりも後回しにして、医者でもわからない部分があります。それは足の裏です。普通の人は視界にも入れないし、走るときなどなおさら見ない。例外があるとすれば
- 釘を踏んだ
- 傷を放置してひょうそ
などの傷やケガで措置に1秒を争う事態になったときであり、自分も医者もこのときにはじめて観る。最近では幼稚園児でも半数が

- 外反母趾
- 内反小趾
- 開帳足
のいずれかの状態にあるといい、こうしたときにはじめて発覚、診断が下りることも多いといいます。そんな走行中の足について解説します。みぞおちの位置を膝より前にすることで、前に進む力を大きくする前傾姿勢の走法は
「前に倒れた体の重さを出した脚で支え、後ろの足は重心を追いかける」
というその性質上、自然とかかとから着地して脚で地面を押す「ヒールストライク」走法ではなくなる。残るは
ミッドフット走法とフォアフット走法
になります。それぞれの走法と例についてまず書きます。
ミッドフット走法

マラソンの走り方に「ミッドフット走法」というものがあります。簡単に説明すると、かかとから着地せずに、足裏全体にかかる体重の接触圧力を均等に乗せることで、かかとのケガから膝の痛み、さらに前ももの張りまでを減らす走り方です。
やり方
- 1.中趾を正面に向ける(WTの立ち方)
- 2.体幹を底から持ち上げるようにして骨盤を立てる
- 3.軽くひざを待上げて股関節から体を前に倒す
- 4.どちらかの骨盤を後ろに引いて反対の足を前に出す
- 5.この繰り返しで走る
前に出した足を着地するときは「蹴り→踏み」または着地する瞬間に
アキレス腱を丸ごとゆっくり絞り下げることで土踏まずにゆっくり踏み込み、伸びるほうの筋肉を意識することで、かかとをすくい上げるようにして足の趾が寄るところまで反らし、その状態で固定したまま同じくひざを曲げる
ことで
足がひざの後ろにきて、重心の後ろを踏む
ので、
- 足を出す・上げる→後ろに引いた反対側の骨盤(ロックの原理)
- 前に倒れた体の勢い→前進
を利用できるだけではなく、前に出た足がかかとから着こうとすることを、後ろに下げることで足裏全体で着地できる最適な位置にして、趾の腹からかかとまでの足裏全体に均等に体重をかけることができるだけではなく、つま先を、中指の向きを正面に向けることを可能にします。
フォアフット走法

簡単にいうと、「着地→引き→蹴り」をつま先だけでこなす走り方です。まさに立って、歩いたり走ったりしているときの犬猫の後ろ足の状態で、かかとを上げたまま地面につけずに走ることです。
とはいえ、この走り方には重大な欠点であり、注意点がありまして、
趾の先をつぶす
ことです。
参考:丹田チャンネル
Amazonレビューで「つま先着地」に対する批判があります。内容をかいつまんで言うと、「爪の裏が内出血し、足裏にマメができた」とのことです。レビューを書いた人のつま先の写真では外反母趾と浮き趾の症状が見られ、おそらくですが、首だけ下を向いたまま趾先に体重をかける前かがみの姿勢で立ったり歩いたりしているのであろうことが推測できます。
それはともかく、発言している人や書いてある内容を自分の体を観察しながら吟味しないとケガや病気の原因になることは確かです。そこで「つま先」の範囲を検証します。
ここでいう「つま先」とはどこからどこまでかというと、
肉球にあたる部分

です。人間でいうならば、付け根から趾先の部分にあたり、上記で紹介した「足半」の接地面です(正確には趾は、はたらけるように地面についているが)。
この部分だけで走り、「着地→引き→蹴り」をこなすのです。
やり方
- 1.中趾を正面に向ける(WTの立ち方)
- 2.体幹を底から持ち上げるようにして骨盤を立てる
- 3.軽くひざを待上げて股関節から体を前に倒す
- 4.どちらかの骨盤を後ろに引いて反対の足を前に出す
- 5.この繰り返しで走る
前に出した足を着地するときは「蹴り→踏み」または着地する瞬間に
かかとをすくい上げるようにして足の趾が寄るところまで反らし、その状態で固定したまま同じくひざを曲げる
ことで足が重心の後ろを踏むので、
- 足を出す・上げる→後ろに引いた反対側の骨盤(ロックの原理)
- 前に倒れた体の勢い→前進
を利用できることに加えてつま先を、中指の向きを正面に向けることを可能にします。ここまでは「ミッドフット走法」と同じで、ここで
「かかとを上げたまま」
親趾を伸ばしたままかかとに寄せることで趾の付け根から趾先までの「つま先」、肉球の部分で着地するのです。あとはこの繰り返し。
- ジャンヌ・ダルクのように脚を伸ばして「ヒールストライク走法」のようになっても
- シークやギラヒム、アンナやのようなミッドフット走法
- アヤメや犬夜叉のフォアフット走法
での課題である
着地するときにつま先が、中趾が自動的に正面に向いているようにする
ためには、その感覚をまず知る必要があるのですが、その方法が
床にパンチする
ことです。
これは手と同じ側の股関節をかぶせ込むことと、すくい上げることを交互に繰り返すことで歩いたり走ったりするいわゆる「ナンバ走り」の応用です(「ナンバ」についての私見は有料コーナーの最後に書きました)。
ここでの注目することは繰り返し書いてきた、「あえて後ろに下げること」です。花瓶に見立てた体幹を底から持ち上げることで曲がらなくなったお腹のおかげで股関節を中心に曲げることで「あること」が起きて、
走りながらでも、中趾を正面に向け、重心を後ろに下げることを可能とします。
また、
- リンク
- カムイ
- クロム
のように武器を構えながら走る場合は
わきをねじらない
ことで、肩と体幹をある意味での分離をさせるのですが、このときに脇をねじるのではなく、肩甲骨を鎖骨からスライドするように動かすために
手をかぶせ込んで前に出すことと、すくい上げて寄せる
のです。
ひじを出さずに胸にある鎖骨のつけ根で肩甲骨をスライドさせることで、肩だけで前後左右の動きが可能になり、
肩とわきがねじってケンカをしなくなる
ことで股関節中心にわき腹から、体幹から脚を動かすことができるのです。
ここからは
- 足裏と手の動きの共通点
- 股関節の動作との相関
- 自転車がなぜバーチャルといえるのか
- フォアフット走法の紹介と課題解決
について解説します。
note更新しました。
🔽わき腹を痛めることなく走ることは可能か?→【結論:条件次第では可能】https://t.co/AhNahyjElK
有料コーナーの画像を「チラ見せ」します。 pic.twitter.com/V7ssA29wHT
— ユウキ 身体の使い方工作室 (@yukitakeblog) March 20, 2025
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わき腹を痛めることなく走ることは可能か?→【結論:条件次第では可能】
わき腹を痛めずに走るためには・手を振らないことですね。 多くの人は「腕振り→膝中心に足上げ」ですがそうではなく、実は、「つま先正面→腰立てる→股関節から脚を出す」ほうが疲れません。骨盤を後ろに倒すことが下腹に力を入れ、脚と寄せることが重心をまとめる。
参考資料

わき腹を痛めることなく走ることは可能か?【参考資料】
参考資料のページです。本編はこちらからどうぞ。