Written by Yuki Takemori

メンタルトレーニングはいらない

ライフ 回復

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こんにちはユウキです。今回のテーマです。

メンタルトレーニングはいらない

まずはこちらの要約をご覧ください。

精神不穏を解消するためには
・かかとを気にかける
だけでいいと思う。多くの人は「つま先重心→前かがみ→不安」ですが、そうではなく、実際は「真ん中重心→背骨が立つ→安心」です。かかとを気にかけることが姿勢の変化になり、警戒レベルを下げる。

日常生活の動作を翻訳するお仕事です。参考になれば「いいね!」よろです。

では解説します。

昔の日本人の立ち姿

  • 1.ひざを軽く曲げる
  • 2.股関節から前かがみになる

ことが明治以前の日本人の立ち姿であった。これは上体の重さで前に進みやすくするためであり、倒れることを利用して歩くことで長い距離を移動するための知恵であった。

ひざを軽く曲げることは体全体のバランスの中心になるところに弾力を持たせて動きやすくする。これはまさに「ファイティングポーズ」であり、弾力ができたひざのおかげでどの方向にも動きやすくなることは、スポーツでも家事労働でも共通していることである。

相撲の「蹲踞」や「仕切り」も同じであり、犬猫の四足歩行にも同じことがいえる。重心が下腹部に落ちたことでお腹に力が入った状態なのである。これはいわゆる「丹田に力が籠った状態」であり、

  • 鼻で
  • 軽く
  • 小さい

呼吸のリズムを一定に保つとできる長い呼吸によって脳の警戒レベルを下げることができるのである。

ひざの曲げによる股関節の主体性は、骨盤の前傾によって立てた背骨と左右に広がった鎖骨が肩甲骨といっしょにわきをはさむように背中と胸を下げることで、息を吸ったときに横隔膜とともに内臓が押し下げられ、これも下腹部の弾力と重心の引き下げになるのである。

さらに股関節を中心に曲げることで膝を軽く曲げることは、股関節の前傾と脚の上がりによる相互作用によって内転筋に力が入ることと、親趾のはたらきによって、それを動かすふくらはぎの中と内側の筋肉に力が入ることで足の内側に力が入るのである。

その立ち姿がそのまま欠点になる【つま先の緊張】

とはいえ、背骨の立ちと肩の下がりは確かに恐怖やトラウマ、フラッシュバックのきっかけである「横隔膜の縮み上がり」を防いでくれるのであるが、これは同時にかかとが上がることも意味するのである。

かかとが上がるということは同時に体重がつま先にかかることによる緊張も意味する。かかとをつければそれで問題はなくなるのであるが、草履や足半の履き方である

  • つま先を浅く入れ
  • 鼻緒をはさむ
  • かかとが自然に上がる

ことの風習というか習慣が、

  • 股関節を中心に体を倒す
  • ひざ軽く曲げる

という大事なポイントを飛ばして下を向くことで上体を

  • 1.首だけを前に倒す
  • 2.背中を丸めて肩を上げる
  • 3.胸をくぼませて腹を曲げる

ことでつま先だけに体重をかけることだけが残って緊張を招き、

地に足がつかない=浮き足立つ

ことになっている。つま先、胸、肩だけが前に行こうとすることで

胸がつぶれたときに大きく大量に呼吸しようとする口呼吸が緊急のサインになり、ストレス反応として脳の警戒レベルを上げる。そして意識が上体とともに前にのめることで、カギのかけ忘れなどの焦りや不安、バランスを失くすことの恐怖になっているのである。

つま先の緊張はすぐに動きやすいという利点もあるのだが、それは現代の日本人にとっては前かがみによるバランスの悪さと呼吸の浅さによる緊張がもたらす過敏さとなっているのである。

つまり、肩の上がりによる前かがみをなくし、趾先だけに体重がかかることによるつま先の緊張を、椅子に座ってるときだけでもなくすようにしてあげればよいのである。

こういう誤解やトラブルは昔からあったのか、『身体から革命を起こす』によると、宮本武蔵の『五輪書』にある

「足のはこびやうの事、つま先をすこしうけてきびすをつよくふむべし」つまり、つま先を少し浮かせるようにしてかかとを強く踏みなさい
※引用:身体から革命を起こす

ということを引用しているが、わざわざこういうことを言っていたのはかかとをつけない歩き方がかなり一般化していたかもしれない。事実、青森県の南津軽郡田舎館村にある垂柳遺跡という弥生時代中・後期の水田跡からは両足の親趾の付け根が異様に土中にめり込んでいる足跡が見つかっており、

親趾部分に体重をかけてつま立っていた

ことが類推されることからもかかとをつけず、浮き足立ったような歩き方をしており、現代でもその名残が「母指球神話」として根強く残っている。

動き出すときだけつま先の緊張させることが動きやすさと心の安定の折り合いをつけるベストな方法であり、その瞬間は

趾の付け根の部分でつま先が立つように体重を乗せる

ことであり、

参考:【第29回】足の伸ばし方のホンネ(骨)

やり方は

  • 1.親趾の付け根と小趾のつけ根が真横になるように足を床につける
  • 2.趾の付け根でつま先を立てる

ことである。

それはかかとを意識した趾の付け根との上下の入れ替え運動による甲出しの結果としてできるものなのであるが、その解説は関連記事にゆずる。

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参考資料