鉄人28号歩きと「釣り合い歩行」
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鉄人28号歩きは釣り合い歩行1であるといえる。なぜなら後ろに進む動きを使うからだ。
釣り合い歩行1は後ろに進むが、その足を床につけると後ろに倒れないために脚が上がる動きを使うことができる。つま先から上がる脚が足裏を垂直に上げ、股関節を中心にわき腹から上げる。— ユウキ×身体の使い方工作室 (@yukitakeblog) December 2, 2025
釣り合い歩行1は後ろに進むが、その足を床につけると後ろに倒れないために脚が上がる動きを使うことができる。つま先から上がる脚が足裏を垂直に上げ、股関節を中心にわき腹から上げる。
■鉄人28号歩きと「釣り合い歩行1」
・鉄人28号歩きのおさらい
- 踵を主体に中趾の付け根と位置を入れ替えるようにして
- 中趾の付け根と膝のお皿の向きを揃えて正面に向けて
- 踵の真ん中にふくらはぎから丸ごとアキレス腱をしぼり落すように体重を乗せると
踵を下からすくい上げる動きが足裏のアーチを遠くに渡すようになり、趾の付け根をすくい上げるように反らす。
その足裏のアーチが伸びて開き、趾を浮かせた状態を使って踵が上がらない状態にすることで、ふくらはぎを引き上げたときに反らした趾をまくり上げる力で足首を固め、その引き上げる力と同時にかかる後ろに引く力で上体を後ろに傾けて踵が上がらないようにするのである。
脚を固めることで腸骨の前傾を促すことで股関節を中心に脚の腿を側腹筋を中心に肚から上げることにはなる。とはいえ、足の先だけを緊張させているために体を運ぶには弱いだけでなく、お尻が落ちて骨盤が後傾するために後ろに進む。
そうではなく、
- 鎖骨を横に開くことを使って胸骨を持ち上げて
- その状態で仙骨を押し下げる
ことで背中と腹とわき腹がお互いに力を入れながら伸ばし合うことで腹が曲がったり背中が丸まったりするあそびがなくなり、この状態のまま仙骨を押し下げることで上半身を立てたまま重心を後ろに移すと膝を少し曲げてゆるみを持たせた状態にできるのである。
さて、ここから着けていたい足のほうの股関節をすくい上げることで前に進むのであるが、この股関節をすくい上げる動きは栢野忠夫氏が紹介している「釣り合い歩行1」であり、これは太ももの横の上にたどったところにある硬いところ、大腿骨の出っ張りである大転子をバットやラケットの短いほうに見立てながら大腿骨の向きに沿って、
- 上げるとき→重心を下からすくい上げる
- 下げるとき→重心を上からかぶせ込む
ことで棒を股関節の前でペダルのように互い違いに回転させるようにする歩き方のことなのであるが、ここで矛盾が出てくる。なぜなら、着けている足をかぶせ込むと踵が上がり、踵を上げないようにすると後ろに進むからである。
これは脚をすくい上げたときに股関節は後ろに、膝は前にと位置を入れ替える動きをするからであるが、この後ろに進んだときの足の動きが要点なのである。
実はこの方法を使って後ろに進もうとすると
踵を上げることなく足を上げることができる
のである。これは後ろに倒れそうになったら脚を上げてバランスを取ることや、股関節から体を曲げて物を拾ったり、水たまりをまたぐときに後ろにくる足のつま先を開いて体重を乗せることと同じ動きなのである。
つまり、つけていたい足のほうの股関節を足をつけたまますくい上げることで重心が後ろに下がって骨盤を後ろに傾け、倒れないようにするために脚が上っている状態にするのである。
このときにすくい上げるほうの股関節を、
ただ、すくい上げる
ことがコツで、内に布を巻き取るような動きによる骨盤の動きを最小限度にすることで、わきをねじらず、手を振らず、かかとも上げずに垂直に離陸した足裏全体を緊張したふくらはぎとの固まりごと平行移動するようにして前に進むのである。
緊張からの力に任せて前に進むのではなく「後ろに倒れるときに脚が上がる」という性質からの股関節の主体にした動きが歩くときにふくらはぎを緊張させて足首を固めながらもそれを最小限にするのである。
・「釣り合い歩行2」との関係
「釣り合い歩行1」は股関節を主体にして大転子のすくい上げとかぶせ込みによって
- 膝→前に
- 股関節→後ろに
とその位置を入れ替えることで脚を上げる。これでつけている足の側の股関節を足をつけたまますくい上げると、股関節が後ろに動くことで重心が後ろに移ることを利用して後ろ向きに歩き、脚を伸ばして座り骨盤だけでこれを行うとその動きが顕著になる。
とはいえ、これでは上記のように「かぶせ込み」の側の脚を前に出すことはできない。そこで腸骨を主体にして「すくい上げる」と「かぶせ込み」行う「釣り合い歩行2」が登場するのである。
股関節よりも上の位置にある仙腸関節と恥骨結合の連携での骨盤の回旋運動が動きの主体となるために重心が上に上がって動作が大きくなることが特徴である。
具体例は上記で紹介した水たまりをまたぐための脚の動かし方がそれで、つけておきたいほうの足の側の腸骨をすくい上げることでつま先を骨盤ごと開いて外旋させて外に向け、反対側の脚は腸骨かぶせ込むと同時に
股関節と膝を同時に前に出す
のである。
つまり、ついている足の側の股関節をすくい上げると同時に回旋もする骨盤を使って、反対の足がその側の腸骨ごと股関節と膝を同時に前に出るようにするということなのである。
このことによって、
- 脚を上げるための予備動作:股関節が主体→釣り合い歩行1
- 脚を上げて前に進む動作:腸骨が主体→釣り合い歩行2
となり、鉄人28号歩きは
あくまでも股関節が動作の主体
であっても「釣り合い歩行1」と「2」の融合であるということができる。
■水たまりをまたぐ以外での応用例【3つある】
- その①:ピッチング
- その②:剣道
- その③:モデルウォーク
どれも「釣り合い歩行1」と「2」の融合である。とはいえ、
どれもやったことがないため記述は完全な想像
となる。
実のところ違いは動きの向きと大きさ、そして動きの主体とする場所と入れ替わりなのである。
・その①:ピッチング
- 「右肩を下げて」
- 「ヒップファーストで」
- 「股関節をたたむ」
ことは単にボールを投げるだけでなく、バットやラケットを振るときの動きでもある。そのためキャッチボールはすべての基本であるため静かに、丁寧にするのだという。
繰り返すとおりすべて想像になるが、「右肩を下げて」と「ヒップファーストで」は右の腸骨をすくい上げるときに腸骨を外向きに回旋させながら後ろに下げることを利用して、肩関節の動きと同期させることで
ひじの内側の出っ張りから小指の付け根をすくい上げる
ことを
同時に鎖骨から行う
ことで「ヒップファーストで」、「右肩を下げる」のである。
ここからたらいを水平に動かすようにして体をスライドし、左足をつけにいくのであるが、このときの動きがまさに
膝と股関節を同時に前に出す「釣り合い歩行2」
なのである。
そしてついた左側の
- 腸骨
- ひじの内側の出っ張りを始点にした肘の外側からの親指の付け根
- 鎖骨
をすくい上げることを「股関節を折りたたむ」、「釣り合い歩行1」につなげるのである(最初に右肩を下げるときも「釣り合い歩行1」)。
交互にする「すくい上げ」と「かぶせ込み」は股関節を中心にして小さな動きでする「釣り合い歩行1」であっても
踵を主体にして中趾の付け根と位置を入れ替える動き
で体をつま先から脇をねじらずに向きを変えることと同じで、
- 脚がもつれないようにするため
- 背中の力をボールに乗せるために
- 「すくい上げる」側をバットの短いほうに見立てるために
骨盤、肩、肘をかぶせ込むほうを初動として左右の位置を前後、この場合は
- かぶせ込み:左側→前に移動
- すくい上げ:右側→後ろに移動
して、ボールが
- 手から離れるまで:左側→かぶせ込み=右側→すくい上げ
- 手から離れたあと:右側→かぶせ込み=左側→すくい上げ
で簡単に書くと
- 「釣り合い歩行1」→「釣り合い歩行2」→「釣り合い歩行1」
となるのであるが、詳細は省く。
・その②:剣道
ピッチングと同じく剣道の素振りも「釣り合い歩行1」と「釣り合い歩行2」の融合であるそうだ。
栢野忠夫氏の解説によると竹刀は引きながら打つものなのであるが、そのときに右手を上(前)、左手を下(後ろ)にして持つ場合は、右足を前に出して
- 竹刀を上げるとき:後ろに下がる→「釣り合い歩行1」
- 竹刀を下ろすとき;前に出る→「釣り合い歩行2」
を左右交互に行うのである。
参考の動画を見ている限り、打ち込むために前に進むときも素振りのために移動しないときも動き自体は同じである。
ここでのポイントは股関節が動きの主体である「釣り合い歩行1」である。これは上記から繰り返し書いている
- 大転子をバットの短いほうに見立てて
- 股関節で重心の「すくい上げ」と「かぶせ込み」をする
のである。すくい上げるときに股関節を後ろに、膝を前にと入れ替える動きになることで重心が後ろに下がり、「後ろに倒れそうになると脚を上げて胴体を引き寄せてバランスを取る」ことにかぶせ込む側の足がついて支えになることが合わさって後ろに進むのである。
このうちの
- 後ろに重心がいって倒れそうになる
- そのバランスを取るために脚を上げる
瞬間やこれを両足同時にする「股関節の抜き」や「膝抜き」の瞬間に
足裏全体が垂直に離陸
することを利用して、その一瞬の間の動きの最中に足の位置を入れ替えるのである。それゆえに剣道の素振りは、本当は、踵を上げず、蹴らず、跳ばずに動くための稽古であると考えることができる。
・その③:モデルウォーク
脚を交差させて歩くモデルウォークは、「釣り合い歩行1」と同じく股関節を大転子を使って「すくい上げて」、「かぶせ込む」のであるが、上記で紹介した「釣り合い歩行2」の特徴である仙腸関節と恥骨結合による腸骨の「すくい上げ」と「かぶせ込み」による骨盤の回旋運動で大きく動くことに主体にして
- 仙骨の前傾を推進力にして
- かぶせ込む側の足を後方に蹴る
ことが合わさって、骨盤を前傾させることで脚を寄せて、つま先を内に向ける内転筋のはたらきを優位にすることで脚を交差させながら歩くことが特徴である。
仙骨を前傾させることは
- 合理的で
- 直線的に
- 引き下がらない圧
であることが特徴で、真っすぐ前方向にスピードを出して歩くことができる。腕と脚が逆の動きをすることがウォーキングにも共通した特徴で、そうであったのかどうかは不明であるが、近世江戸期の歩法のひとつである
- 真秀足(まほあし):膝をのばして正々堂々と大股に歩くもの
というものがあり、寺や神社など石畳を敷いて硬くした地面を歩くためにはよかったのだと思う。
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